『子どもと向き合う指導員の基本姿勢 その1』

支援員の眼

 皆さん、お疲れさまです。指導員のガックンです。

私は新人時代に、ある子との関わりから「子どもと向き合う指導員の基本姿勢」をその子の姿を通して教えてもらいました。

学童保育の指導員になって1年目。それまでいた2人の指導員が2人とも代わり、その学童のリーダー指導員になりました。 それまで学生時代のアルバイトで学童の子達とたまには関わってはいたけれど、いきなりのリーダーで学童保育のことはちんぷんかんぷんで、右も左も分からなかった私。

そこには、それはそれは激しい思いを抱えていた5年生男子がいて、「シネ」「キエロ」と言う言葉や、ちょっかい、邪魔、乱暴など、その子は仲間への攻撃的な言動という形でしか、自分の気持ちを表現できないでいました。

毎日毎日繰り返される泣き声とトラブル。雰囲気が殺伐としていて落ち着く時間なんかない。子どもが泣いて。相棒指導員まで泣いて…

今だから言えますが

「仕事行きたくない」
「今日昼で学校終わって帰ってくるとか…最悪」
「帰ってこなければいいのに、休めばいいのに」

と私が登所拒否状態になりかけて、更に指導力のなさを子どもに責任転嫁させようとしていました。

まさに最低の指導員です。

でも、そんな私の気持ちを奮い立たせてくれたのもその子でした。学童保育や発達心理学、臨床教育学の本を片っ端からあさくって、学童の発達やらなんやら、わかる研修を探しまくって片っ端から出掛けていきました。

その子のことを必死で考えて、実践をしました。

・「その子は『一緒に遊びたい!』という気持ちをうまく言葉に出して表現できずに、『手を出す。』という形で出ているのではないか。」

・自分を受け止めてくれる人がいない、場所がないことで落ち着かず、手を出したり乱暴な言葉を発したり、相手の言葉を受け止めたりできないのではないか。

・「いじわるをする」→「周りが離れる、嫌われる」→「ますますいじわるをする」という悪循環になっているのではないか。

と考えて実践したのは、

「攻撃的な面も嫌がらず受け止め、毎日声をかけてコミュニケーションをとる。」こと、

また、「スライムづくり」「割り箸鉄砲」「巨大パチンコ作り」「クッキング」「お化け屋敷」「ドッチボール」「Sケン」といった遊びや活動で、その子のエネルギーを十分に発散させて、その子にしか思いつかない、大人は「危なくないか?」と困るけど、子どもにとっては最高に魅力的で大胆な発想を発揮させることでした。

その2へ、つづく…。

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